前回、基準ピッチに関する事を書いたので今回も関係することを含めて徒然と。
クリップ式のチューナーが流行り始めてどれくらい経っただろう。起爆剤となった決定打はKorgのAW-1だと思う。それより前にほぼ最初に出た機種がIntellitouchのチューナーだった。当時はすごく高価でクリップ部の可動域が狭く挟みにくい上に反応も鈍かったが、海外では今でも使い続けている人が多い。多分デザイン的なものと、日本みたいに激安な商品が出回っていない、さらにもの持ちが良いのが理由かも知れない。
クリップチューナーはエレキ楽器の配線内に繋がなくてもよいので利便性が良い。反応のレスポンスや精度などでは普通の物に劣るが、利便性が勝る部分では使う事が多い。家で弾く時だったりエフェクターを使わない時だったり。なので普段エフェクターを多用する人はあまりステージでは使わない傾向だ(エフェクターとしてボードに置いているので)。ジャズをやっていて営業などでスペースや転換の問題などでは便利なことも多い。ギターはセッションでは通常アンプ直の人が殆ど。
さて、キャリブレーションとは何だろう。チューナーの基準音「A」のピッチ設定を変更できる機能だ。最近はKorgのPC-1の様にこの機能を省いて値段を下げている物もある。この機能は何時、どんな場面で必要なのだろう。
一人で練習、演奏する場合、無くても特に困らない。その基準ピッチで了解というか我慢すればいいだけ。多重録音する際もその基準ピッチだと設定すればよい。困る場合は他の人や楽器と関わる場合だ。普段簡単に基準ピッチを変えられない楽器が有った場合、その楽器に合わさなければならない。ピアノや一部の管楽器などだ。ということでジャズギターをやっていて人と演奏する時ははこのキャリブレーション機能が有った方が良いと思います。
ギターリストってこういうのはあまり気にしない気がする。ギターでデュオっていうのはいろんな人とやる事が多いけど(レッスンは必然的にこの編成になるし)、大抵だれも基準ピッチのことなど口にも出さずそれぞれそのままA=440Hzに合わせてお互いの確認も無く演奏開始となる。ピアノや管楽器と演奏する場合はあり得ないことだけど。こういう習慣もいろいろ考えさせられる。
そういえば最近Planet WavesのPW-CT-12って使ってるんだけれど、面白いクリップチューナーだ。多分今までの物で一番目立たないデザイン。そのままギグバッグに楽器をしまってもOK。ただそういう特性上付けられないまたは付け辛い楽器もあったりする。でも付けられたなら凄くコンパクトで何も気にしなくていい。ただNSデザイン(ネッド・スタインバーガーさんの設計)なのにも関わらずスタインバーガーには付けられないのが(少なくとも僕の持ってる機種の全て)ちょっと残念。